損益分岐点

損益計算書を損益分岐点計算書 (固変分類損益計算書)に組替えます。

経営者なら損益計算書の数値を見て、赤字にならない売上高はどのくらいだろう?、目標利益を達成するにはどの費用を削るのが効果的だろうか?などと、いろいろな経営に関する疑問を持ったことがあるのでは?
損益分岐点はそのような経営者の疑問に答えるために生まれてきました。

損益分岐点とは、簡単に言ってしまうと、費用項目を変動費と固定費に分類することにより、ある一定の方程式が成り立ち、その方程式に基づけば、売上や利益の予測が可能になるということです。

変動費・・・売上の増減により増加する費用をいいます。
商品仕入、材料費、外注費、消耗品など

固定費・・・売上が増減しても変動しなく一定料かかる費用をいいます。
役員報酬、減価償却費、支払利息など

確定申告時の損益計算書のデメリット
通常、作成している損益計算書は債権者、税務署などへの外部公表の為のものであり、経営者として貴方がほしい情報がわかりづらく表示されています。 したがって、どれだけ売ればいくら利益が出るか?などという戦略的な経営をおこなうには外部公表用の損益計算書を内部管理用の損益分岐点計算書に組替える必要があるのです。

損益分岐点により事業の経営管理に役立つ情報が貴方の手に!
損益分岐点計算書を作成することにより、たとえば

赤字にならない売上高はいくらなのか?(売上に目標ができます。)

目標利益をあげるにはいくら売り上げればいいのか?(営業に目標ができます。)

どこの費用を削れば効果的にコストダウンできるか?(闇雲なコストダウンをしなくて済みます。)

営業社員や工員を雇うと利益がどう変わるか? (雇用するべき人数がわかります。)

値引きをすることにより利益がどう減少するか? (得意先への値引きの限界点がわかります。)
などのいろいろな疑問に答えることができるのです。
(使い方のバリエーションは多岐にわたります。詳しくはご相談ください。)

賢い経営者や大きな企業ではこの手法を活用して営業目標を立てたり、売上や利益管理を行っています。

最近、損益分岐点の検索で訪れている経営者の方も多いかと存じます。それだけ会社が疲弊しているのでしょう。損益分岐点は、数学的な方程式なので 「変動費」、「固定費」を正確に分類できれば正しい数値が出るでしょう。
しかし、損益分岐点を売上が伸びない中でのコストカットの道具として利用すると従業員などの人事面での弊害が出る可能性もありますので、ご自分で固変分類するのならまずは、損益分岐点の書籍 を一冊でも読むことをおススメします。

↓下記は損益分岐点の原理について説明したものです。興味のある方はお読みください。↓

損益分岐点計算書 (固変分類損益計算書)の仕組み
先ほども述べましたが、損益分岐点計算書 とは、費用 を 売上の動きに伴って増減するかどうかによって「 変動費 」 と 「 固定費 」 に分類して表示した損益計算書のことです。たいした事ないように思われますが、 しかし、その固変分類により導き出した限界利益というものがとても重要なのです。

損益分岐点計算書の仕組みと雛型
売上高から仕事(売上)の増減により変動する費用(変動費)を
ひいたものを限界利益といい、この限界利益が仕事(売上)を
しなくても一定料かかる費用(固定費)をまかなうことになります。

つまり固定費以上の限界利益を出す売上を上げなければ
利益は生まれず赤字ということとなります。
そこで、固定費以上の限界利益を出す売上目標を算定する必要があります。
この赤字にならない売上目標は限界利益率を求め、計算式に当てはめて算出することができるのです。

まず、 損益計算書費用科目を固変分類します。(ここが重要ポイントです。)
次に、算出した変動費又は限界利益をもとに限界利益率を求めます。

限界利益率=限界利益÷売上高

又は

限界利益率=1-(変動費÷売上高)

※限界利益率と変動費率は表裏一体の関係です。たとえば限界利益率が45%ならば
変動比率は55%となり、合計すると常に100%になります。

次に求めた限界利益率を目的により以下の計算式にあてはめます。

損益トントンの売上高を知りたい場合
損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
目標利益達成の売上高を知りたい場合
目標利益達成の売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率

この数式に当てはめれば希望利益の売上高を算出することができます。
また、固定費・変動費・売上変化による利益増減のシミュレーションをすることも可能です。

あるパン屋さんを例にすると?
あるパン屋さんが毎月35万円の経常利益を出すには毎月いくら売上げればいいでしょうか?
参考データ
限界利益率 60%ぐらい(過去データから算出したとします。)
固定費   毎月40万円ぐらい
月の目標利益  35万円

これを上記の計算式に当てはめます。

約125万円=40万円+35万円÷60%
目標利益達成の売上高となります。
つまり、限界利益率60%以上(変動費率40%以下)を保ちつつ、月の売上高が125万円に達すれば35万円ぐらいの経常利益が確保されることとなるのです。

売 上 高   125
変 動 費   50 ←変動費40%
限界利益   75
固 定 費   40←毎月の固定費
経常利益   35

もっと、簡単にいうと10万円売上げを上げたら変動費を4万円以下に抑えつつ、売上125万円に達するまでパンを売れば35万円の利益が出ますよと、いうことになります。

お分かりいただけたでしょうか? 当事務所では損益分岐点計算書の作成、利益改善アドバイスなどおこなっていますのでお気軽に御連絡ください。